ハシリドコロ【毒草】

毒草図鑑
ハシリドコロの新芽 / 引用元:wikipedia

春の山菜として人気がある植物にフキノトウが挙げられますが、似ている植物にハシリドコロという毒草があることをご存知でしょうか?

ハシリドコロはフキノトウと同じ頃に新芽が出始め、見た目も似ているため昔から誤食する人が多い危険な有毒植物です。

このページでは山菜採りで危険な思いをしないためにも、ハシリドコロの毒性や中毒症状を始め、フキノトウとの見分け方について解説します。

ハシリドコロとは?

ハシリドコロとは?

ハシリドコロの新芽 / 引用元:wikipedia

ハシリドコロとはナス科ハシリドコロ属の多年草で、アルカロイド系の有毒成分を含む毒草として知られています。

日本では本州を始めとして四国や九州まで広く分布しており、山間地の湿った木陰などに群生します。

最大で40~50cmほどに成長し、釣鐘状の赤紫色の花を咲かせます。

名前 ハシリドコロ
他の呼び名 キチガイイモ、キチガイナスビ、オニヒルグサヤ
学名 Scopolia japonica Maxim.
英名 Scopolia japonica
分類 ナス科ハシリドコロ属
発生時期 2~3月頃から新芽が出始め、4~5月頃に花が咲く
発生場所 山間地の湿り気のある日陰など
主な有毒成分 アルカロイド類のトロパンアルカロイド
似ている山菜 フキノトウ

ハシリドコロの毒性・有毒成分・中毒症状は?

毒草として知られるハシリドコロですが、その主な毒性分はアルカロイド類のトロパンアルカロイドとなっています。

ハシリドコロは全体的に有毒成分を含んでいますが、特に根茎と茎の毒性が強いとされています。

ハシリドコロを摂取した際の中毒症状ですが、以下のような症状が挙げられます。

  • 嘔吐
  • 下痢
  • 血便
  • 瞳孔散大
  • めまい
  • 幻覚
  • 異常興奮

体質や摂取量によっては最悪の場合で死に至ることもある危険な毒草です。

なお、ハシリドコロを触った手で目を擦ったりすると瞳孔が開いてしまい、まぶしく感じることもあるようです。

ハシリドコロには薬用成分も?

毒草として注意喚起されているハシリドコロですが、有用な薬用成分も含まれており、古くは江戸時代からベラドンナの代用品として用いられてきたそうです。

これは、ドイツ人の医師であるフィリップ・フランツ・バルタザール・フォン・シーボルトが薬効に気付いたことがきっかけであるとされています。

ちなみに中国では東莨菪(とうろうとう)と呼ばれています。

薬用成分が強いとされる根と根茎はロートコン(莨菪根、Scopoliae Rhizoma)と呼ばれており、厚生労働大臣が定め公示する日本薬局方にも収められています。

このロートコンの成分を水やエタノールに浸出させたものをロートエキスと呼び、ロート製薬の胃腸薬「パンシロン」シリーズの一部製品にも含まれています。

ただ、これはあくまで専門的な知識を持っていることが前提となり、素人が使用するのは非常に危険とされる劇薬にも指定されています。

ハシリドコロとフキノトウの見分け方は?

続いてハシリドコロとフキノトウの見分け方になりますが、最初にそれぞれの写真を見比べてみましょう。

ハシリドコロ / 引用元:東京都薬用植物園

ハシリドコロ / 引用元:東京都薬用植物園

フキノトウの新芽

フキノトウの新芽

まず色味ですが、ハシリドコロは青々とした葉をしているのに対し、フキノトウは外皮が赤みがかっていて内皮は黄緑のような感じになっています。

実際に自分でもハシリドコロを見たことがありますが、葉の表面がツルツルしていたのが印象的でした。

続いては東京都薬用植物園から引用させて頂いた写真です。

フキノトウとハシリドコロ / 引用元:東京都薬用植物園

フキノトウとハシリドコロ / 引用元:東京都薬用植物園

フキノトウが丸みを帯びているのに対し、ハシリドコロは少し長い印象を受けます。

また、葉を剥いていくとフキノトウには中央のつぼみ部分が大きいのに対して、ハシリドコロはつぼみが小さく葉っぱだけのような造りになっています。

ハシリドコロとフキノトウの見分け方をまとめる以下のようになります。

  • ハシリドコロは青々していてフキノトウは部分的に赤い場合がある
  • ハシリドコロのつぼみは小さいがフキノトウは大きい
  • ハシリドコロはツルツルしていてフキノトウは少し産毛のような毛が生えている

もちろん個体によっては見分けづらい時もあると思うので、そういった時は無理に採らないようにしましょう。

ハシリドコロについてのまとめ

フキノトウに似た毒草であるハシリドコロについて、その特徴や見分け方について解説してみました。

驚きだったのは毒草というだけでなく、正しく使用できれば薬草にもなりうるという点でしたね。

ただ素人にとっては危険なことに変わりないので、くれぐれも間違って採ったりしないよう気をつけましょう。